イノベーションの創出は、これまでのビジネス習慣に意識と組織の変革が伴うもの。かつ不確定要素の高い社会や市場の環境で行われるもの。このような状況に適した手法が、現場を観察し、創って試す、を繰り返すデザイン思考です。弊社では、このデザイン思考を効果的に学べるように、計3つのセミナー、ワークショップを用意しています。
顧客第一で考えるデザイン思考の基本的な素養として、弊社が基盤としているのが、人間の意思決定と行動特性のメカニズムに関する知識体系である「ヒューマンファクターズセミナー」。顧客を深く、本質的に知る手がかりにつながります。次には、デザイン思考を十分に発揮するための「デザイン思考マインドセットセミナー」。そして最後に、デザイン思考をより実践的に体得したい方におすすめする、この「デザイン思考スキルワークショップ」です。
行動観察で得た情報から、潜在的ニーズを導き出し、妥当なサービスに落とし込むための一連の流れが体系的に理解できます。
「顧客体験を高めるサービスデザイン」
サービスデザインとは、顧客に歓迎されるサービスを提供するために、サービスを提供する側、受ける側、そしてサービスのインフラにも介入しながら、各々の関係性を最適化を図ってゆくデザインアプローチのこと。
しかし、顧客に歓迎されるサービスをデザインするには、サービスを提供する側が、頭にひらめいたサービス内容やプロセスにこだわって、これを性急に作り込んでしまってはいけません。まず、ユーザーの挙動を知ることが大切です。
ただ、ユーザーの挙動を知るといっても、アンケート調査やインタビュー調査では、ユーザーの潜在ニーズまでは発見できません。得られたデータからは、現場で何が起こっているかが想像できず、気づきが得られないためです。このような時に有効なのが行動観察調査です。現場のありのままの状況を把握できるほか、予想していなかった知見が得られる可能性もあります。
行動観察によりデータが得られたら、次には、過去の経験や知見と照らしあわせながら、アイデアを出し合い、頭の中で描いたサービス体験をメンバーで共有すること。ここから新しい発想が生まれたりする中で、次の創造力を掻き立て、顧客から歓迎されるサービスデザインを創出するモチベーションを高めてゆきます。
そして、アイデアに込められたコンテクストをメンバーで共有しながら、ユーザーの目的が絞り込めたら、「どんなユーザー像に、どんな価値を提供するか」を決め、ユーザーテストで妥当性を確認するためにプロトタイプを作ります。
一般的に、ユーザーテストとは、製品やサービスの使い勝手や効果について、条件を定めて評価すること。しかし、デザイン思考を駆使するプロジェクトでは、ルーチン化された業務プロセスに基づいて、評価を行うことが目的ではなく、統計的かつ精緻なデータを取る必要もありません。重要なことは、プロトタイプをアップデートしながら、評価を繰り返し、議論を重ねながら、サービスデザインの質を高める手がかりを見つけてゆくこと。
本ワークショップでは、以上のようなプロセスで、「カイゼン」にとどまらない、イノベーションの創出につながるサービスデザインの実践スキルが学べます。
こんな方に特におすすめ
- アンケート調査ではわかり切った結果しか得られないことに疑問を感じている調査担当者
- 行動観察の方法や得られた事実の取り扱い方が分からないリサーチャー
- 熟考したアイデアのビジネスモデルや事業実現性に賛同が得られにくい事業担当者
- ペルソナを設定し、カスタマージャーニーマップを作成したものの自信が持てない方
- サービスの妥当性を評価するプロトタイプの設計と評価方法が分からない開発担当者
- プロトタイプの評価を通じて、発想を膨らませてゆく方法がつかめない企画担当者
講座の内容と学びのポイント
- サービスデザインとは?
- サービスデザインとは何か?
- デザイン思考を発揮するサービスデザイン
- ユーザー調査を行う
- ユーザー調査とは何か?
- 課題を明らかにして、ユーザー調査の手法を絞り込む
- 行動観察を行ってみる
- 目標を明らかにして、観察対象を絞り込む
- 何に着目して観察するのか?
- 行動観察に基づきアイデアを創造する
- 行動観察の結果をグループで討議する
- 各人の体験を拡張、共有することで、ニーズを知る
- ニーズを評価して、コンセプトを絞り込む
- 誰にどんな価値を提供するかを描く
- ユーザー像を思い描き、ペルソナを作る
- 情報を可視化する
- カスタマージャーニーマップを作る
- 仕様に落としこみプロトタイプを作る
- ワークフロー図や要求仕様表に落としこむ
- プロトタイプを作ってみる
- プロトタイプを使って評価する
- 確認すべき要件や評価項目を明らかにする
- 評価を実施し、問題点を共有することで、改善案を作成する
- 発表、講評
セミナー実施概要
全2回 計10時間(各5時間)
開催日時
2020年3月12日(木)13時-18時 デザイン思考スキルワークショップ[前編]※中止しました
2020年3月13日(金)13時-18時 デザイン思考スキルワークショップ[後編]※中止しました
※12時40分受付開始です
※受付にてお名刺を1枚頂戴します
会場
〒107-0062 東京都港区南青山2-2-8 DFビル5F 大会議室
地下鉄:銀座線・半蔵門線・大江戸線「青山一丁目」5番出口から徒歩2分
参加費
担当講師
田平 博嗣
株式会社U'eyes Design 代表取締役社長、相模女子大学学芸学部非常勤講師、博士(工学)
専門はヒューマンファクターズ。使いやすい製品・サービスのデザイン、生活イノベーション創出支援のデザインコンサルティングに従事。
[著書]
共著に、消費者行動の科学(東京電機出版局)、サービス工学―51の技術と実践(朝倉書店)、
UX × Biz Book-顧客志向のビジネス・アプローチとしてのUXデザイン-(マイナビ出版)など。
[受賞論文等]
- 日本人間工学会大島正光賞(2009/6)
高齢者を対象とした駅の案内表示のユーザビリティ調査:認知機能低下と駅内移動行動の関係の分析(共著) - Best Research Paper Award,The 5th World Conference for Graduate Research in Tourism, Hospitality and Leisure(2010/5)
A Cognitive Chrono-Ethnography Study of Visitors to a Hot Spring Resort, Kinosaki-onsen(共著)
お申し込み
★本セミナーは中止いたしました★
新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、参加者および関係者の健康・安全面を第一に考慮した結果、本セミナーの開催を中止することとなりました。楽しみにして頂いた皆様にはたいへん申し訳ございませんが、ご理解を頂きますようよろしくお願い申し上げます。
お問い合わせ
セミナーに関するお問い合わせは、以下のメールまたはメールフォームより承ります。
メールアドレス:seminarに続けて@とueyesdesign.co.jpをお書きください