2024/4/9
当社が開発、運用しているウェブアクセシビリティ評価ツール「WAIV」が、2024年4月より大幅にアップデート。「WAIV2(ウェイヴ・ツー)」としてリリースいたします。
◆WCAG 2.1 及び 2.2 に対応
「WAIV2」では、新たにスマートフォン等の操作やウェブアプリ向けのアクセシビリティ要件が加わった国際基準 WCAG (Web content accessibility guidelines) の新バージョン 2.1 及び 2.2 に対応できるようになりました。
WCAG 2.1 及び 2.2 で新たに追加された達成基準26項目の内、「WAIV2」は16項目を自動的に評価します。特に、従来は高度な知識やツールが必要なために、手動での判断が難しかった達成基準の多くが、簡単に対応できるようになります。
◆ベリサーブ社との協働開発で評価品質もパワーアップ
今回のアップデートに当たっては、より確かな品質評価ツールを目指し、株式会社ベリサーブ(東京都千代田区神田三崎町3-1-16 代表取締役社長 新堀 義之)との協働開発を行いました。
なお、この協働開発は通称「障害者差別解消法」の改正への対応を視野に入れて進めてまいりました。
「障害者差別解消法」とは、製品、サービス、施設などの利用において、利用者の障碍によって差別されることを解消することを目的として、2013年6月に制定された法令です。この法令は2021年6月に改正され、2024年4月1日から新たに施行されました。この法改正により、国や地方公共団体だけではなく、すべての民間事業者に対して、障碍のある利用者への合理的な配慮が義務化されました。合理的な配慮の一環として、ウェブアクセシビリティに取り組むことは、法令遵守にとどまらず、ビジネスチャンスの拡大や企業イメージの向上など、企業側にとっても多くのメリットがあります。
旧WAIVでは、これまで弊社の視覚障碍者スタッフ諸熊がソフトウェアの企画、開発、運用の各プロセスと販売後の品質改善を担当してまいりましたが、今回の協働開発により、ベリサーブ社の豊富なソフトウェアの検証・品質向上支援の経験と専門知識による知見を取り入れて、ソフトウェア品質と信頼性のさらなる向上を図ることができました。
◆これまでの使いやすさも踏襲
「WAIV2」でも、引き続き、日本産業規格JIS X 8341-3に基づいた評価が可能です。また、評価結果の集計やサイト一括評価など各種の便利な機能も使うことができます。
【参考1】JIS X 8341-3 (WCAG 2.0) の達成基準に対する「WAIV2」の対応状況
対応度: 「○」完全に自動評価可能、「△」自動評価可能だが目視評価などの併用を推奨、「×」自動評価不可
対応度 | 達成基準の名称 | 達成基準の概要 |
---|---|---|
○ | 1.1.1「非テキストコンテンツ」 | 画像に適切な代替テキストがある |
× | 1.2.1「音声のみ及び映像のみ (収録済)」 | 収録済みメディアには、映像、音声、字幕または説明テキストの内2種類以上が含まれている |
× | 1.2.2「キャプション (収録済)」 | 収録済み音声には、字幕または説明テキストが含まれている |
× | 1.2.3「音声解説、又はメディアに対する代替 (収録済)」 | 収録済み動画には、音声解説または説明テキストが含まれている |
△ | 1.3.1「情報及び関係性」 | 文書中の見出し、表、リンクなどに適切なHTMLマークアップが用いられている |
△ | 1.3.2「意味のある順序」 | 説明文は、上から下、右から左に読んで理解できるように記述されている |
× | 1.3.3「感覚的な特徴」 | 説明文の内容がテキストを読むだけで理解できる |
× | 1.4.1「色の使用」 | 色が視認できずとも説明文の内容が理解できる |
× | 1.4.2「音声の制御」 | ページ表示直後に再生される音声が容易に停止できる |
○ | 2.1.1「キーボード」 | キーボードだけでもタスクが遂行できる、またはその代替手段がある |
△ | 2.1.2「キーボードトラップなし」 | キーボード操作が阻害されることなく行なえる |
△ | 2.2.1「タイミング調整可能」 | 必要な場合を除き、時間制限の延長、解除ができる |
△ | 2.2.2「一時停止、停止、非表示」 | スライドショーや点滅などの動きは、一時停止、停止、または非表示にできる |
△ | 2.3.1「3回の閃光、又は閾値以下」 | 特定の閾値、または速さを超える点滅に遭遇することなく閲覧、操作できる |
○ | 2.4.1「ブロックスキップ」 | サイト共通のヘッダーやナビゲーションコンテンツを省略できる |
○ | 2.4.2「ページタイトル」 | ページの主題、目的を示したページタイトルがある |
○ | 2.4.3「フォーカス順序」 | 説明されている操作の手順に従って、キーボードフォーカスが移動できる |
○ | 2.4.4「リンクの目的 (コンテキスト内)」 | リンク、及び付近のテキストから、リンク先が予測できる |
○ | 3.1.1「ページの言語」 | ページの表示言語が機械的に認識できる |
△ | 3.2.1「フォーカス時」 | ホバー等によるコンテンツの変化が機械的に通知される |
△ | 3.2.2「入力時」 | 入力操作によるコンテンツの変化が機械的に通知される |
× | 3.3.1「エラーの特定」 | 入力内容が誤っていた時、その事実が通知される |
○ | 3.3.2「ラベル又は説明」 | 各フォームコントロールに入力内容の説明がある |
○ | 4.1.1「構文解析」 | W3Cの定めるHTMLマークアップが正しく行なわれている |
○ | 4.1.2「名前 (name) ・役割 (role) 及び値 (value)」 | ウェブサイトと関連して提供されるアプリが適切に使用できる |
対応度 | 達成基準の名称 | 達成基準の概要 |
---|---|---|
× | 1.2.4「キャプション (ライブ)」 | ライブ音声に、字幕または説明テキストが含まれている |
× | 1.2.5「音声解説 (収録済)」 | 収録済み動画に、音声解説が含まれている |
○ | 1.4.3「コントラスト (最低限)」 | 文字と背景とのコントラスト比が 4.5対1 以上ある |
△ | 1.4.4「テキストのサイズ変更」 | テキストを200%まで拡大しても正常な閲覧、操作ができる |
× | 1.4.5「文字画像」 | 画像内の文字を見やすくカスタマイズできるか、テキストで閲覧できる |
× | 2.4.5「複数の手段」 | 複数のルートから当該ページにアクセスできる |
○ | 2.4.6「見出し及びラベル」 | 見出しや入力欄の説明文が、その主題を説明した内容である |
△ | 2.4.7「フォーカスの可視化」 | マウス、及び、キーボードフォーカスが常に視認できる |
○ | 3.1.2「一部分の言語」 | ページ内のテキストがどの国の言語か機械的に判別できる |
× | 3.2.3「一貫したナビゲーション」 | サイト全体でデザインに統一性がある |
× | 3.2.4「一貫した識別性」 | サイト全体でマークアップに統一性がある |
× | 3.3.3「エラー修正の提案」 | 入力内容が誤っていた時、その修正方法が提案される |
× | 3.3.4「誤りの防止 (法的、金融、データ)」 | 特定の情報を扱う場面で、入力内容が送信される前の確認、取り消し、または、送信前後での修正ができる |
対応度 | 達成基準の名称 | 達成基準の概要 |
---|---|---|
× | 1.2.6「手話 (収録済)」 | 収録済み音声に、手話通訳が含まれている |
× | 1.2.7「拡張音声解説 (収録済)」 | 収録済み動画に、正確且つ具体的な音声解説が含まれている |
× | 1.2.8「メディアに対する代替 (収録済)」 | 収録済みメディアに、映像、音声、字幕、及び説明テキストの全てが含まれている |
× | 1.2.9「音声のみ (ライブ)」 | ライブ音声に、リアルタイム字幕が含まれている |
○ | 1.4.6「コントラスト (高度)」 | 文字と背景とのコントラスト比が 7対1 以上ある |
× | 1.4.7「小さな背景音、又は背景音なし」 | 主音声が背景音、副音声に邪魔されることなく聴取できる |
○ | 1.4.8「視覚的提示」 | 読みやすい文字数、文字間隔、デザインが採用されている |
× | 1.4.9「文字画像 (例外なし)」 | 全ての文字を画像ではなくテキストで表現している |
○ | 2.1.3「キーボード (例外なし)」 | キーボードだけでもタスクが遂行できる |
△ | 2.2.3「タイミング非依存」 | リアルタイムなコンテンツでない限り、時間制限の延長、解除ができる |
× | 2.2.4「割り込み」 | 別の操作中に表示される通話、アラートなどの割り込みの取り扱いを制御できる |
× | 2.2.5「再認証」 | サイト内での作業を中断したり再開したりできる |
△ | 2.3.2「3回の閃光」 | 特定の速さを超える点滅に遭遇することなく閲覧、操作できる |
△ | 2.4.8「現在位置」 | サイト内の現在の階層や作業のステップ、進捗状況などがわかる |
○ | 2.4.9「リンクの目的 (リンクのみ)」 | リンクテキストのみから、リンク先が予測できる |
○ | 2.4.10「セクション見出し」 | 文章中の各セクション、トピックが見出しで整理されている |
△ | 3.1.3「一般的ではない用語」 | 一般的ではない用語の解説が閲覧できる |
× | 3.1.4「略語」 | 略語の解説が閲覧できる |
△ | 3.1.5「読解レベル」 | 初等中等教育までの知識で読解できる |
△ | 3.1.6「発音」 | 特殊な発音を要する語にルビが付与されている |
△ | 3.2.5「要求による変化」 | クリック時のみコンテンツが変化する |
△ | 3.3.5「ヘルプ」 | サイト内でヘルプが提供されている |
× | 3.3.6「誤りの防止 (全て)」 | 入力内容が送信される前の確認、取り消し、または、送信前後での修正ができる |
【参考2】WCAG 2.1 及び 2.2 で追加された達成基準に対するWAIV2の対応状況
対応度: 「○」完全に自動評価可能、「△」自動評価可能だが目視評価などの併用を推奨、「×」自動評価不可
対応度 | 達成基準の名称 | 達成基準の概要 |
---|---|---|
× | 2.1.4「文字キーのショートカット」 | 文字キーによるショートカットが動作しなくてもタスクが遂行できる |
○ | 2.5.1「ポインタのジェスチャ」 | シングルタップだけで操作ができる |
○ | 2.5.2「ポインタのキャンセル」 | 触れただけで決定とする操作をキャンセルできる |
○ | 2.5.3「ラベルを含む名前 (name)」 | テキストラベルと読み上げとが一致している |
× | 2.5.4「動きによる起動」 | ジェスチャーやモーションが動作しない環境でもタスクが遂行できる |
× | 3.2.6「一貫したヘルプ 」 | ヘルプがある場合、表示に一貫性がある |
× | 3.3.7「冗長な入力項目」 | 冗長な繰り返し入力を省略できる手段がある |
対応度 | 達成基準の名称 | 達成基準の概要 |
---|---|---|
○ | 1.3.4「表示の向き」 | 端末の表示の縦横に影響されずに閲覧できる |
○ | 1.3.5「入力目的の特定」 | 各フォームコントロール内で、入力すべき内容が特定できる |
○ | 1.4.10「リフロー」 | 低解像度ディスプレイでもカラム単位で閲覧できる |
○ | 1.4.11「非テキストのコントラスト」 | 画像の淵と背景とのコントラスト比が 3対1 以上ある |
○ | 1.4.12「テキストの間隔」 | 段落、行、単語、文字間に適切な余白がある |
○ | 1.4.13「ホバー又はフォーカスで表示されるコンテンツ」 | ホバー時に表示したコンテンツが、ホバーを解除しても維持される |
○ | 2.4.11「隠されないフォーカス (最小限)」 | フォーカスが完全に隠れないようにデザインされている |
○ | 2.5.7「ドラッグ動作」 | ドラッグ操作ができなくてもタスクが遂行できる |
○ | 2.5.8「ターゲットのサイズ (最低限)」 | タップ領域のサイズが24PX以上ある |
× | 3.3.8「アクセシブルな認証 (最低限)」 | 画像やパズルを使ったユーザー認証にはその代替手段がある |
× | 4.1.3「ステータスメッセージ」 | ステータスメッセージの通知を機械的に認識できる |
対応度 | 達成基準の名称 | 達成基準の概要 |
---|---|---|
○ | 1.3.6「目的の特定」 | 目的に応じたセクションを意味するマークアップが行なわれている |
× | 2.2.6「タイムアウト」 | タイムアウトされる前の通知がある |
○ | 2.3.3「インタラクションによるアニメーション」 | 操作時のアニメーションに煩わされることなく閲覧、操作できる |
○ | 2.4.12「隠されないフォーカス (高度)」 | フォーカスが一切隠れないようにデザインされている |
○ | 2.4.13「フォーカスの外観」 | フォーカスの形状、サイズ、コントラストが視認しやすい |
○ | 2.5.5「ターゲットのサイズ (高度)」 | タップ領域のサイズが44PX以上ある |
× | 2.5.6「入力メカニズムの共存」 | どんな入力デバイスでもタスクが遂行できる |
× | 3.3.9「アクセシブルな認証 (高度)」 | 記憶力を必要とすることなくユーザー認証ができる |
提供形態と価格(税込)
有効期間(ライセンス) | 90日 | 1年 | 無期限 |
---|---|---|---|
新規購入(1本目) | \55,000 | \110,000 | \220,000 |
追加購入(2本目以降) | \27,500 | \55,000 | \110,000 |
ライセンス期間延長(新規購入分) | \55,000 | \110,000 | - |
ライセンス期間延長(追加購入分) | \27,500 | \55,000 | - |
旧WAIVからの乗換(1本目) | 無料 | 無料 | \220,000 |
旧WAIVからの乗換(2本目以降) | 無料 | 無料 | \110,000 |
- 購入を検討されている方には、無料体験版(機能制限あり)を提供しています。動作確認等にご活用頂けます。
- 「90日ライセンス」及び「1年ライセンス」は、有効期間が経過すると、無料体験版と同じ動作に戻ります。更新版ライセンスを購入頂くと製品版に復帰できます。
- 「追加購入」は、同一の会社、団体等で複数台パソコンにWAIVを導入する場合にのみ選択可能です。
- 旧WAIVは、有効期間内であれば、そのままご利用頂くことができます。また、同じパソコン内にて、「WAIV2」と共存させることも可能です。ただし、今後、旧WAIVは段階的にサポートを終了いたします。そのため、動作不良などがあっても保証は致しかねます。
お問い合わせ
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